遠野物語100周年文学賞受賞作「人魚呪」著:神護かずみ

妖しく、端麗な筆致で描く異形の人魚伝奇譚!
人魚呪 【あらすじ】
時は天正6年。織田信長の権勢著しき時代――。鄙びた漁村の外れに住む左吉は、その容姿から"魚人"と村人に忌み厭われる日々を送っていたが、美しき人魚マナと出逢い、生きる意味を見出す。秘密の洞で繰り返される甘美な逢瀬。左吉は次第にマナに溺れていくが、ある日、マナの残酷な秘密を目の当たりにする。逆上した左吉は彼女を手に掛け、その肉を喰らうという禁忌を犯してしまう。八百比丘尼の伝説の通り、不老不死となった左吉は、活神(いきがみ)と畏怖され、ますます居場所を失っていく。そのような中、村へやってきた僧・黒快に見込まれた左吉は都へと誘われる。村と波の呪縛から脱し、全ては好転するように思われたが……。

■2012年5月31日発売予定 発行:角川書店
■四六判・並製単行本 240 頁
■本体価格1,400 円(税別)
■装画:山田 緑 装丁:西村弘美(角川書店装丁室)

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神護かずみ(じんご かずみ)
1960年愛知県生まれ。東京都在住。國學院大学卒。2011年に「人魚呪」で遠野物語100周年文学賞(主催:岩手めんこいテレビ)を受賞。怪獣・妖怪愛好家。他の著作に『裏平安霊異記』(神護一美名義、ソノラマ文庫)がある。
遠野物語発刊100周年記念小説コンクール